このページが読みづらいときは、ページの横幅←→を縮めてみてください!

[タイトル一覧|前の記事|次の記事|新着分 ] 韓国ドラマ名セリフpage -> kr



“チグム ブット アジュ キン イヤギル シジャッカルテンデ,ミド ジュルス イッソヨ?”〜「恋愛ものの基本」について考える3作品

『40 days and 40 nights』 for Boys!

『同感/リメンバー・ミー』 ☆☆☆H
キム・ハヌル/ハ・ジウォン/ユ・ジテ
『時越愛/イルマーレ』 ★★★LL
チョン・ジヒョン/イ・ジョンジェ

またしても映画を観てもこちらのページにどんぴしゃり、という作品に当たらないサイクルに入りました(笑) そこで今回は変則的に、「恋愛ものの基本」について考えてみながら、みっつの作品をご紹介します。

恋愛ものの基本は相思相愛です。互いに愛する者をさえぎるものがあって、そこに葛藤が生まれ、ストーリィが生まれる。ハッピーエンドであれば、そのさえぎるもの、障害がとりのぞかれてめでたしめでたしとなるわけだけど、お互いに愛する者どうしであればこそ、その過程が応援できる、また後味もいいものになるわけです。
ただし、愛する者どうしに障害、という点で、不倫というのはよい恋愛もののモチーフだと思っている人(作者)は多いようですが、不倫は恋愛を概ね単なる我欲の部分に矮小化してしまうため、人間の愚かしさや醜さを描くのには相応しいテーマでも、読んで楽しい、観て楽しい作品にはテーマとしては本来的に不向きです。人間は本来愚かしく醜いものだ、と考えるのは自由ですし、むろん少なくとも一面の真実ではあるでしょうが、そんなことをあえてフィーチャーする必要性は僕にはないので、わざわざそういう作品は書かないし、読みません。そういうことは自分で勝手に考えて、重々承知の人(人間が愚かだなどということは、僕の場合本を読まずとも鏡を見れば判るので!)にはこの上教えをたれないでいただきたいものです。

韓国語を多少憶えた流れで、韓国のTVドラマを少しみるようになったのですが、韓国の場合、恋愛や男女の関係について日本との比較においてまだかなり不自由といえるところもあり、愛するふたりを引き裂く要素には事欠かないようですね。
貧富の差、家柄の差という、日本ではもはや(ないわけではないわりに)アクチュアルには感じられない問題が、現役の(?)障害として力を持っているようですし、文化的にも本来極めてintrusiveな(笑)ものであるため(西洋文明的な尺度でいえば)世間の集団的な無責任な非難や干渉もあり、さらには兵役、血縁や姻戚関係と、この最後のやつはなかでもかなり特殊な気もしますが、恋愛ドラマを作るには、もうもってこいの(??)環境、世情が整っているわけですね。。。(笑)
ついでに、僕が恋愛ものを書く場合の基本についてもふれておけば、僕の場合その障害は、心の問題になります。
僕のものの場合も、もちろん主人公は最初から相思相愛、というのがじつは基本なわけですが、たとえば一方が――これは僕のものの場合、男のコに設定することが多いですが――鈍感なため、相手の気持ちに気づかない。あるいはお互いに相手の気持ちが判らない。または自分の気持ちに気づいていない。さらには、相手の気持ちに、自分自身の気持ちにも、自分で確信が持てない、とか…。こう書くとまぁ、ミもフタもない、というか、なんとも愚鈍な主人公たち、という感じがしますが、結局僕の書く恋愛ものに関して、恋の成就は、気づくこと、ないし確信することでしかないわけですね。ある種の誤解が解けるというか、理解がある、そこで関係性が結ばれる、という、私と他者ないし、私と私(「他者としての」私)の和解が僕の恋愛もの全てにおいての解決の基本であることは、お気づきの方も多いのではないでしょうか。

不倫について付言しておけば、要するに恋のはじめが不倫であってもいいわけです。仕方ないですよ、人は過ちを犯すものですから。ただ、いつまでもそのまま自分たちの都合で、人を騙したり傷つけたりしてはいけない。きちんと責任をとって、謝って――恋が不倫で始まる、というのはそれ以前の選択に誤りがあったからで、結婚は社会的な行為以外のなにものでもない、社会がなければ結婚という体裁は不必要なわけですから、結婚は本質的に対・社会的な関係性なわけです。だからその失敗については社会にたいし、少なくとも自分と関係性のある人にたいして、過ちを謝罪する必要が文句なしにあるわけです――その上で新しく、一からその恋を深めていけばいいわけです。
失敗を謝罪し、古い関係を清算し、きちんと新しい関係をスタートさせる。これでいいわけですが、そんなことをいっても、そのために傷つけるひとがいる、ということをいう人もなかにはいるかもしれませんね。率直にいっちゃいますが、それは卑怯ないい草ですよね。なぜなら、あなたは既に人を傷つけているからです。そして、あなたは既に人に迷惑をかけている悪い人だからです。あなたは悪い人なので、「傷つける人が」などといい人ぶる資格なんかありませんよ。そんなもっともらしい、きいたふうなことをいう資格はありませんよ。そうやって自分の気持ちを多少でも安らがせるにたる、値打ちもありません。まぁ、現段階では、ね。どうぞ存分に、悪い人らしく、本当のあなた=悪人として、あなたの悪のぶんだけまわりの人を傷つけてください。どうぞこのうえ小ずるく人を騙したり、自分に都合よく、気持ちいいぬるま湯に浸るようなその自分の快楽のためだけに問題の解決を先延ばしにして、周囲の人をさらにこれ以上より深く卑劣に傷つけないでいただきたい。そう思います。「傷つける人がいる」ですって? いや、そういうのは盗人猛々しい、というのですよ( ; あなたには、そう思う資格も、そう思って痛めることのできる美しい心も、いまは実際はないのです。
過ちを犯すのはたしかに人間的だが過ちにとどまるのは非人間的だ、というキルケゴールのことばは、たいへん重要なものだと僕は思うのですが、このことばを肝に銘じて生きていきたいものですね!

・・・しかし、こうして不倫は題材として不適当、といいきると、↑の韓国とは違い、現代の日本を舞台にした恋愛もの、というのはなかなか難しいような気がします。実際にはそうではないかもしれませんが、実感としては、いまの日本では恋をして、付き合うのも別れるのも本人どうしの自由、です。となると、別れるのは必ず自分たちの意志です。であればこれは恣、ほしいままなわけで、じつはここには恋愛にともなう「美」はない、と僕は考えるわけです。それこそ、愛する者どうしが生木を裂かれるように、たとえば時代がかって「生まれ変わったら一緒になりましょうね」と泣きの涙で別れる、ということはありえないわけです。ほんとうに一緒にいたければどんな障害があろうと一緒にいればいい。そういわれてしまうのがいまの日本だからです。それでは別れることは、常に単なる自分たちの選択であり都合であり、いくら悲しくてもそれは自分の勝手だろ、ということになるわけですね。家長が、兵役が、貧困が、などといった、いわば明快かつ正当(?)な悪者を設定できない、人のせいにできない、個人の自由、自己責任の世界になるわけです。逆に、これでは、愛するふたりが一緒にいることも、別に特別なことではなく、ただ単にしたいようにしている、いわば個人的な欲望の成就以上のものでも以下のものでもありえないでしょう・・・。

美は、じつは美しくないものとの摩擦があってはじめて生まれる。これはそういう話なわけですが、ではこんないまの日本の現実を舞台に、どうすればアクチュアルで美しい恋の物語がちゃんと描けるのか・・・。なかなか難問であるように思えます。同じ恋愛先進国(??)として、アメリカもかなり似た状況が広くあるでしょう。
こんなことを考えたのは、まず『40 days and 40 nights』という映画をヴィデオで観たからです。
これ、僕独自のジャンルわけで行くと、所謂「ばか」系統にはいるわけですが(笑)ヤリまくりの男のコが改心し、40日間の禁欲の誓いを立て(彼はホワイト・エスニックなんでしょうね)たとたん、ほんとうに愛するひとに出会ってしまってさぁたいへん、というお話です。これだけでもそのおばかぶりが彷彿とするところだと思いますが(笑)アクチュアルな障害がないなら、作ってしまえ、というところですかね。さて、僕の評価は、うーん・・・★ではなく、for Boysとしておきました。ちょっとこのページに来ている女のひとに薦めよう、という気はしませんでした。でもboysであれば、さすがにこれほどの経験はないとしても、何となく想像できるところがあって、それでおかしいという部分があると思います。どたばたコメディで気楽に笑いたい、というboysにお薦めしたい、そんなありそうで意外にない、珍しい1作ですね。

次に『同感/リメンバー・ミー』。このページでははじめての韓国映画のpick up、になりますが・・・。
↑の通り、TVドラマではドメスティックな“障害”で十分恋愛ものをばんばん成立させている韓国ですが――TVドラマといえば『冬のソナタ』がNHKで放送されて人気だそうですね。でも吹き替えみたいだったので僕はみていないし、手軽にだれでもヴィデオ屋で借りられる、という意味でも、ここではとりあえず映画の話をします――映画となるともう一段頑張るのか(??)時を隔てたふたり、というやや大がかりな障害が設定されています。
とはいえこれはかなり低予算の映画だったのでしょうね。殆んど主役の3人のギャラ以外お金が使われていないのではないでしょうか。SFという感じはありません。
さて、この映画。いい映画だ、ということもできるのでしょう、たぶん。けれど僕には、ほぼ、生涯の暫定ワースト1、といっても過言ではないです(笑)
どうしてそういう評価になるかというと、まず第一に主演のキム・ハヌル。このひとは見た目からいえば、韓国の女優さんの中でもいちばん可愛い、もしこのひとが目のまえにいたらもう、絶対カエルに睨まれた蛇、じゃなかった、蛇に睨まれたカエルも同前、と僕は思っているのですが(笑)見るたび見るたび、気の毒な役をやっているんです。こんなに可愛いのに、なんでこんなに気の毒なんだ、と思って、最近ではキム・ハヌルの顔を見るだけで、こんどの役ではちゃんと幸せになれるのか、ご飯はちゃんと食べているのか、心配でならないくらいです(笑)
そういう前提があっての話ですが、この映画、僕は続けて2回観てしまいました。それくらい、割り切れない、納得いかない思いが残ったわけです。上手くいえませんが、これはいい映画なのかもしれないが、いくらなんでも酷過ぎる、どうしてこんな(くり返しますが)可愛いひとが、こんな目に遭わなくてはいけないのか、どこか少しでも救いはないのか、というような思いでやむにやまれず2回観た、といってもいいかもしれません。
韓国語でいうならば、アムリセンガッケバド、スルポソチュッケタンマリヤ!(どう考えてみても悲しくて死んでしまう!)とか(笑)叫んでみたくなるくらいの勢いです、はい(イサンヘ?)
こう書くとどうもちっとも褒めていないようで、まぁ、現に褒めてはいないわけですが、とにかく、それでもこの映画はみてほしいんですよ。決して褒めてはいないとはいえ、ここまで力がこもった感想がでてくる、というのはただごとではありません(笑)この映画はイカンと思うので、絶対観てほしい、といえる作品も、そうそうはない思うので、ぜひとも観てみて下さい。その上で、この割り切れない思いをぜひ、みなさんと分かち合いたいです。「ねぇ、ねぇ、どう思う?? こういうのって、アリなわけ??」と詰め寄ってみたい気持ちですね。いや、ほんとに(笑)

最後にもうひとつ、韓国映画を。
『時越愛/イルマーレ』。これまた『同感』と同じ時を越えた交流、というのがモチーフですので、ぜひここで。前作で時をつなぐのが無線機であったのにたいして、こちらでは郵便受けがその役目を果たします。
主演のチョン・ジヒョン『猟奇的な彼女』で日本でも有名になりましたね。そのキャンペーンで日本のニュース番組にでたのをたまたま(地震以来、僕はあのニュース番組は基本的には一切見ないことにしているので)みたのですが、映画やドラマでは判りにくいけれど、ああいうところでみるとほんとうにきれいですね。驚きました。
驚くといえば、彼女その番組のインタヴュー中に頭をはたかれて、もう、僕はほんとに肝を冷やしました。いくら見た目が日本人みたいだからといって(見た目が欧米人ならあそこでは頭をはたかれたりはまずしてないでしょうね!)日本のTV独特の「瞬間的に身内扱いしてあげた方が向こうにも得」という独自の価値観は共有されているわけもなく、彼女もまたほんとうに肝をつぶしたと思います。すごくびっくりしてたものね。この場を借りてほんとにお詫びしたいです。まぁ、僕がお詫びしても意味ないですけど。。。あれでは意味不明で失礼で横柄で頭が悪いのが日本人、という印象になりそうで、いかにも残念です。ああいうことが起こるのは、ひとつにはまた、韓国語が片言もわからない人が通訳と勘だけを頼りに「当てずっぽう」に司会をしているからでもあるなとも思いました。彼女自身のことばをちゃんと聞いていたら、あそこで叩いたりするのはほんとうに唐突というか意味不明、というよりほぼ不条理、inappropreateというよりinepitudeというか、embarrassingという他ないでしょう。彼女もそうだし、見ているほうもそうです。ということは愉しいのは司会者だけ、やっぱりなるなら司会者か・・・。いやはや。あんまり綺麗だからさわってみたい、という気持ちは判りますが、それなら素直に握手してもらえばいいだけなのにね。全く。頭が悪い上に失礼となれば、もう手の施しようもないでしょう?
それはそれとして、とにかくあれ以来、このひとはほんとに綺麗なひとだ、と思って、僕はすごく好意を持つようになったのですが、この作品にLがふたつもついているのは、彼女のせいというよりも、むしろ↑の『同感』の次に観たということも大きいかもしれません(笑)
『同感』の割り切れなさを引きずって続けて観てもらうと、なにしろ同じモチーフだけにすごく不安な気持ち(?)になるのではないでしょうか。僕もそうでした。だから、これがLLであるためには、そういう不安な気持ちがだいじなので(笑)あまり内容は説明しないでおきます。通常時に観ても★★★までは大丈夫だと思いますが、この流れで、ぜひ不安な気持ちでLLのぶんまで味わって下さい(笑)
もちろんこちらはいい映画、Lまでつくかはともかくも、本当にいい作品として、しっかりお薦めしたいです。この項、冒頭のセリフもじつは本作品からで、
“チグム ブット アジュ キン イヤギル シジャッカルテンデ,ミド ジュルス イッソヨ?”
日本語にすると「いまからとても長い話をはじめることになるけれど、信じてもらうことができるかな?」ということになります。いや〜、やっぱりお話はこうじゃなくちゃ・・・。お薦めです!!(2003.7.23)
追記:『同感』のもうひとりの女優、ハ・ジウォン。彼女は見た目がたいへん素晴らしいので、以前から男性には人気だったと思いますが、いまひとつ役に恵まれなかった、ということでしょう。いま時代劇版スケバン刑事みたいな(??)TVドラマに出ていて、これがびっくりの大はまり、でした。非常に抑圧された役柄で、B級の匂いやお色気は、ボーイッシュに、ストイックに抑え込まれ、凛々しくて、じつにいいです。いや、よかった、よかった。おめでとう!(笑):『茶母』。(2003.9.6)

**DVDプレーヤー本体もAmazonなら自宅まで配送料無料でデリヴァリー!**

**ネットでかりてポストでかえす「オンラインDVDレンタル」ぽすれん**

[タイトル一覧|前の記事|次の記事|新着分 ]

[yuichi hiranaka WorldClub Home]

↓Please support our page w/ your click↓....Thank you!!

ページ運営にご協力下さい。

Copyright (C)2003 yuichi hiranaka World Club. All rights reserved.