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Yuichi HiRANAKA à Paris!

"; }?> 『ル・ディヴォース』 ★ パリのアメリカ人、そして日本人。
ケイト・ハドソン/ナオミ・ワッツ/ティエリー・レルミット/レスリー・キャロン

"; }?> 南カリフォルニアからパリへフランス人に嫁いだ姉を妹が訪ねたとたん、姉は夫に裏切られ、妹はその彼の叔父の愛人になってしまう、というような筋立てで、あまりだれも観そうにないですし(笑)アメリカ人から見たフランス人のステロタイプのイメージがたっぷりなのか、とも思い一応チェックしてみました。

実際には、たとえば風景など、姉の家はどうも左岸、6区のあたりのようですが、あまりパリの美しい眺めがたっぷり、ということもありませんでした。この映画、でもやはり非常にフランス的だと思ったのは、セリフが英語とフランス語の半々、なのですが、夫の家族のフランス人の英語、これがレスリー・キャロンをはじめ(そう、レスリー・キャロンなんです!)ものの見事にブリティッシュ・アクセントなこと。
日本では圧倒的にアメリカ英語を聞く機会が多いですが、フランス人の覚える・喋る英語はもちろん、隣国イギリスの英語です(フランス訛りですけど!(笑)。パリに来るまで僕は理由がよく判りませんでしたが、日本人もヨーロッパに長く住むとたいていイギリス英語のほうが聞き取りやすい、というようになりますね。理由は、ヨーロッパの言語とイギリス英語は、同じように主に母音に注目して聞くことばだからで、アメリカ英語は主に子音を聞くことばだからです(ただ、フランス語もとくに強い子音、たとえばRなんかはきちんと鳴らさないと通じにくいです。こういう音には注目してるわけです)。だからヨーロッパに長くいると、アメリカ英語に親しいはずの日本人も、イギリス英語のほうが聞き取りやすい、となるわけです。そういう意味で、この映画のアメリカ人姉妹、姉役のナオミ・ワッツはアメリカ人にしてはかなり流暢にフランス語を喋る方だとは思うのですが、それでも聞けば聞くほどアメリカ訛りのフランス語で面白いです(笑)

パリに来て、フランス語を聞くだけで、ああ、これはアメリカ訛り、これはスペイン語訛り、日本訛りや韓国訛り、中国訛りはもちろんのこと、ヴェトナム訛りやインドネシア訛り、というのもわりとちょっと聞くと判るようになりました。何の役に立つ、というわけでもないけれど、パリに住まなければずっと判らなかったことなのは確か(笑)それどころか、アメリカのアクセントも、ああ、このひとは南部かな、東部かな、キャリフォーニアかな…などとしょっちゅう思うようになりました。つまり、それだけパリに住んでいる人が多様だ、ということです。僕はいま、都合4カ国語が喋れるわけで、フランス語以外は「公称」ペラペラなわけですが(笑)こんなもの、日本にいたら、TVを見るとか本を読むとかでもしない限り、日常的には殆んど何の役にも立ちません。けれどパリにいたら、地下鉄のケ(ホーム)を10メーター歩くだけで、この4カ国語での会話をぜんぶ立ち聞きして、何を話してるかみんな判ったりします。楽しいですよ(笑)日本の電車に乗っても、殆んど外国人なんか乗っていない、1両分の人が全員日本人、ということがむしろふつうで、そのことに違和感を持つ人はいないでしょう。しかしパリに住むと、日本の電車は本当に気味が悪い、つまり日本人しか乗っていないからで、経済的にこれだけ豊かな国の電車のなかに外国人が殆んど乗っていない、要はその富を日本人だけで占有している、というのは、現代の世界の中では、じつは非常に不気味でいびつで異常で危険なことだと、パリに住めば、そう感じるようになると思います。

もうひとつ、僕が頗るフランス的だ、と思ったのが、前述の叔父さんの義理の姪(?!)への口説き文句。曰く「さて、君が僕の愛人になるかどうか決めよう。僕はずっと以前に、ほかの口実で若い女性を部屋に連れ込むことは止めたんだ」。どうですか。日本人なら、相当のプレイ・ボーイでないと吐けないセリフ、という気がします。が、フランス人なら、そのへんの冴えない男でもこのくらいのことはいうらしい(笑)そしてたとえば日本人の若い女のコは、これを日本の男にいわれたら「冗談じゃないわよ!」と常識的な反応ができるのに、フランス人にいわれると「それもアリかも…」とコロッといったりもするらしい(笑)いやはや。フランス人に学ぶことは、まだまだ多いようですよ、ご同輩(笑)

この妹を演じるのが"sourire permanent"のケイト・ハドソン。劇中Too much smiling gets a girl in trouble.みたいなことまでいわれていましたが、「マリ・クレールを読んでいるひとのような髪型」は僕にはどうも…で、やはり子音ばりばりの英語+フランス語の可愛い(笑)ナオミ・ワッツがここでは魅力的でした。また、この叔父さん役・ティエリー・レルミットもこちらではかなり人気者らしく(笑)TVのバラエティ番組でもちらちら見かけます。(いつかチャリティ・テレソンみたいなのにネクタイ+ジャケットにブルージーンズで出ていましたが…まぁ、なかなか、ほう、格好いい人なんだなぁ、という感じでしたよ(笑)

"; }?> この彼女の家が位置しているように、アメリカ人が好きなパリは、セーヌ左岸、カルチェラタン、サンジェルマン・デ・プレ…。一方日本人観光客がやってくるのはやっぱり圧倒的に右岸、つまりエルメス、シャネル、ヴィトン、ルーヴル美術館、といった非常にマテリアリスティックなところ、それが日本人観光客のパリ、です。どちらも同様にミーハーな観光客だとしても、アメリカ人が来たがるのは左岸、つまり彼らが憧れるのはパリの文化的な側面だ、ということなのだろうと思います。日本人がパリ、フランスのことをあまりにも知らない、というのは残念なことです。フランス人には日本に興味を持っている人も多く、彼らはちょっとびっくりするほど日本のことを知っているし、日本の文化を非常に、しばしば破格に高く評価しています。おそらく平均すれば、アメリカ人よりフランス人のほうがよほど日本のことを知っている、そんな気さえパリにいるとします。それだけに、現在の日本人がフランスのことをほんとうに何ひとつ知らない、エルメスとヴィトンしか知らない、興味も、関心すらもない、比較において明らかにそうだ、というのが、非常に残念、というかそれ以上に、本当に勿体ないことのように僕には思えるのです…。

この日本人がフランスのことを(おそらくほかのたいていの国のことも)いかにほんとうに知らないか、ということも、日本にいた時は僕もこれほど実感していませんでした。なにしろに日本にいる限り、そのことに自覚症状がないわけですから(笑)こちらに来て初めて荷風の "; }else{ echo " "; }?> 「ふらんす物語」、あそこにいったい何が書かれていたのか、荷風の観察力・表現力がいかに桁外れなものだったかが判りました。あの本が書かれてからもう100年ですが、100年経ってもあそこで荷風が何を書いていたか、日本人には理解されていない。つまり荷風はあそこでものすごく正確にフランスを捉えている。然るにどれほど荷風が正確にフランスを捉えても、日本人にはその正確さそれ自体が判らない。判りようがない(なぜなら、フランスを知らないから!)そこに荷風はさらに余人の追従を許さぬ文学的な再把握・再構築を加えていくのですが、こんなもの、もはやだれにも判らない、といったほうがはるかにほんとうに近いでしょう。それがしかもあっけないほど単純で平明なことばによって行われるのですから…。荷風の文明批評が驚くほど不当に低く見積もられているのも、むべなるかな、という感じです。つまり、100年経って、荷風には想像もつかなかっただろう別世界としかいいようのない情報社会に生きていながら、荷風ほどフランスのことをきちんと見た、捉えている日本人は未だに殆んどいない、ということなわけです。*Helas!*

日本は世界でいちばんいい国だ。だから他の国のことなんか知らなくてもいい!と思っている人も、いまの日本には多いかもしれないですけど(僕から見れば、それはちょっとムリがある、ちょっとニュースとかみてもいまの日本はちょっとヘンな国だ、と思う方が普通だとは思うんですけど…)まぁ、もしそうにしたって、日本の外にもいろいろ面白いことがある、ということまで否定する人はいないと思うんですが…。(っていうか、たしかに外国にもいろいろヘンな政治家や社会問題やとんでもない犯罪もありますが、日本みたいな頻度でそれが出てくる国は先進国の中にはほかにないですよ、ほんと! そうなる理由は、いまの日本の社会にムリがあるからで、その根本的な原因を問おうとせずに対症療法で症状だけ抑えよう、というのはたぶんもうムリなんだと僕は思うんですよね…。日本式の現実主義、の限界点。そこに来てるんだと思う。日本の現実主義は、じつは日本人の美意識でもあるんですよね、なんと。これもパリに来て気づいたことですけど。でも、だからこそこれはますます難しい問題なんだと思う。)

コマーシャリズムにがんじがらめの日本のマスコミにはもはやなんの期待もできないにせよ、このインターネット時代、情報にはいくらでも直接アクセスできるはず。なのに選ばれフィルターにかけられた、吊し(既成)の情報にしか触れようとしない。それで満足してしまう。それでは、面白くありません。それは管理される、しかも半ば自ら進んで、ということで、こんなもの、オーウェルもびっくり、の未来図でしょう(笑)情報社会に大賛成、というつもりはありませんが、人の注目していない、自分だけの情報をどんどん見つける、ということに、そのささやかなaventage(利点?)はあるのではないでしょうか。
(*DVDのジャケット、上が日本版、下がフランス版。大衆的なものですが、それぞれがどういうものをいいと感じるか、という違いが見てとれて面白いので並べておきます)
(05/09/06)


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