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『Sweet November』 ★ "It'll hurt whatever you do. We all will"....
シャーリーズ・セロン

 “この世のものとも思われない”ほど美しい(笑)シャーリーズ・セロン主演のロマ・コメ、ということで一応押さえておきます。
Sweet Novemberといえば、ブラコン・ファンには若き日のベビィ・フェイス、The Deele時代の佳曲:Sweet Novemberがパッと頭に浮かぶところなのですが、残念ながら無関係のようで、主題歌には生来お洒落とは無縁の僕などにはどこがいいのだかいまいちよく判らない音楽が使われています(笑)
 ロケーションはサンフランシスコ郊外だと思うのですが、僕より先にこの作品を見ていた映画好きの僕の母はなんと「ニューヨークじゃなくて、もっときたないでもどこか東部の街だと思う」といっていたのですが、これは、この映画が絵はがき的なサンフランシスコではなく、近来のニューヨーク・ロケのロマ・コメのイディオムを踏襲し、いわばanonymousな大都市の郊外都市として、たとえばブルックリンみたいなタッチでこの街を描こうとしたことの所産です。僕はサンフランシスコへはほぼ行ったことがないといって過言ではないので、明言しづらいところですが、結果それは、マンハッタンの狭さが生み出している緊張感や縦方向のパースペクティヴを持たないこのランドスケープにおいてはややもすれば求心力を欠く画となり――たとえばコールデンゲート・ブリッジはマンハッタン・ブリッジより巨大すぎ、太平洋の波のサイズと色彩感は、イースト・リヴァーより雄大すぎるわけですね( ; ――彼女のような印象も、あながち的はずれとはいえないと思うわけです。nice tryではありますが、やはりこれならNYで撮ればいい、というか。。。このページではレヴューしませんでしたが、ここで僕の念頭には、たとえばオータム・イン・ニューヨークがあります。
 ほかにも、主演ふたりのキャスト以外(脇にはプラクティス、アリーのディヴィッドEケリー・ドラマでおなじみのふたりが配され、これが都会的なお洒落映画なのだ、という意図をリインフォースしていますが)あまりお金がかかっていないというか、ややそういうバジェット的な問題を感じる1作ですね。主演のふたり以外にももっとお金と時間をかけることができば、もっと深みのある作品になったような気もします。基本ストーリィのアイディア自体は別に悪くはないですから。。。Too muchと僕が難癖を付けたこれまでの作品、たとえばドゥキャヴニィの『この胸のときめき』なんかが、いかに手もお金もかかっていたか、ということが逆に偲ばれたりもします( ;
 さて、結局このふたりは最終的に別れを選択するわけですが、こういう作品、僕の頭を占めるのは、いつもその後の「彼の人生」です。まぁ、もちろんこれはmake believeの世界ですが、もしもこういう自分にとって大きな意味を持つ恋をして、相手に一切わるい感情を持たず永遠に別れ去ってしまえば、その後には、はたしてどういう人生が、生きる希望が見いだせるというのでしょう。。。
 動物の基本は生きることですが、人間だけはプラスそこに何らかの意味付け、理由付けを必要としますよね。でもそれは、結局人間もやはり動物で、本質的には生きる、という本能的な欲求がまずあって、それを支えるために理性的な理由が、いわば後から、ただこじつけられる。つまるところ人間の生というものは、じつはそういうものでしかないのかなぁ、などともふと思った1作でした。それくらい、ここに描かれた恋は、彼らにとっては比類なきものであるに違いない、と想像するわけですが、さて。生涯にいち度くらい、そういう恋をしてみたい、でしょうか? うーん。Good question、とだけいって、この場は答を留保とします。(2002.8.31)

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