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『この胸のときめき』 ★★★ 大人になってきたのかな??
ディヴィッド・ドゥキャヴニィ/ミニ・ドライヴァ/ジョエリ・リチャドスン/ボニー・ハント

 このあたり、★の数はやや微妙なのですが、これもちゃんと観ても大丈夫な映画でした。いや、続くときは続くものですね(笑)主演はThe X Filesのディヴィッド・ドゥキャヴニィ(ここ、なんだったらこのページではなぜか基本(?)となりつつある、ツイン・ピークスへの出演にまで遡って言及してもいいのですが、まぁ、とにかく)。ウエル・メイドですし、笑えるところもたくさんありました。大半は判りやすい笑いですね。細かく台詞をきかないといけない、というのではなくて。
 あえてなんくせを付けるとすれば、Mickey Blue Eyesの項でふれたのと同種のToo muchさくらいでしょうか。だって、この映画、男やもめのおじいさんたちがでて、犬がでて、エイプがでて、ポーカーがあり、ボウリングがあり、シナトラやディーン・マーチンがかかり、気のいい黒人の友人も、子沢山の警官も、自転車も、尼さんも出て来るんですよ。舞台は最後にはイタリアへまで移りますし、自転車のベルの音で天使の羽が…なんてモチーフまで引っ張り出してくるんですよ? おまけに主な舞台はレストランで、とうぜん料理もでてきますし、そのレストランの庭にはヒロインがつくってる花畑まであるんです。さらにそのレストランは、なんと「アイリッシュ=イタリアン・レストラン」(??)だというのですから(最初のおじいさんたち、というのはだから移民なわけですね)明らかにてんこ盛り、ここだけ読めばやり過ぎ、という印象さえあるでしょう? クラシックな映画なら、このうちのどれかひとつふたつでも、じゅうぶんに世界を成立させたにちがいありません。古典的なロマンティック・コメディの結構にぴたりとおさまる一作だけに、かえってそんなことが気になるのですが、Mickey Blue Eyesの項でも書いたとおり、現代においてウェル・メイドなロマンティック・コメディをコマーシャルに成立させるには、やはりtoo muchにする以外にないのかもしれないなぁ、とふたたび考えてしまいました。この辺、継続審議とします( ;
 あと、映画自体とはあまり関係ないのですが、この作品、前半でじつは主人公の奥さんが亡くなるんですよね。そこはやはり、90年代アメリカが誇るTVスターにしてインテリ俳優、かつてwounded puppy faceとまで評された女殺し・ディヴィッド・ドゥキャヴニィのミニマリスムな演技が炸裂(??)するわけですが、いや、思わずほろっと来てしまったんですよ。若い頃ならこういうのはむしろ類型的なものとしてわりと超然として観た部分だと思うのですが、 歳をとると、いろいろな悲しみはほんとうに他人ごとではないので(笑)すぐエンパサイズしてしまうようです。
 先日ある方のメールに「若い頃『Rain』を読んだ時には、単純に話者(ユーイチ)に感情移入していたけれど、いま読み返すとレイコちゃんの胸の痛みが手にとるようによく判り、思わず落涙してしまいました」というのがありましたが(どうもありがとう!)いや、おたがい歳をとった――もとい、大人になってきた、ということでしょうか?? ピース。 (2001.6.14)

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