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最初は少しダルだけど、電車に乗ったあたりから、メグ・ライアンもケヴィン・クラインも、ぐっと魅力的になる映画です。
ファンションとしては、メグ・ライアンのブルーのサングラス、そしてネイヴィ・ブレザーにジーンズといういでたちが素的でした(後者は僕の世代には大ハマリの、所謂「フレンチ・アイヴィ」というスタイルです!)。もちろん、ディナーへ赴く折のアイス・ブルーのワンピース姿も、男性として、十分グッと来るものがありました。確かにカジュアル(胸の開き方、着丈など)ではありますが…。蛇足ながら、僕にとって南仏でアイス・ブルーのワンピース、と来れば『泥棒成金』のグレイス・ケリー、イディス・ヘッドのあのドレス、という忘れがたいアイコンがあります(『アイム・イン・ブルー』の8章、ヴィヴィアンのドレスのイメージはここにあり!)が、そこはそれ、メグ・ライアンのキャラクター、というものもありますよね。いや、十分素的でした。もしGFがああいういでたちでディナーの席に来てくれれば…文句なく、僕は最善のおもてなしをするでしょう。
また同じく南仏のホテルでのケヴィン・クラインの白のリネンのスーツ+白のTシャツ、あれもイイですね。いただけなかったのはむろんフィアンセ役のヴェルサーチェのスタンパ物のシャツですが、でもあれはああいう役なのでしょう。
ジャン・レノは所謂儲け役(『ブルー』でいえば、TWもそうですね)。
あと、あまり関係ありませんが、最後、クレジット・ローリングで、サッチモの「ラ・ヴィ・アン・ローズ」、そして「ラ・メール」ときた時は、不覚にもほろっとなってしまいました。ふと、パリのことを想い出して。
そういえば、いつかパリから帰ってきた時、幻冬舎の石原氏に「どうだった?」と訊かれ、思わず「いやぁ、素的だったよ、相変わらず…」と答えて笑われたことがあります。「まるで自分の女みたいにいうねぇ」と。
でも本当にあの街は、きっと誰もにとって――特に僕ら男性に――いつまでも、忘れえぬ、かつて愛した恋人のような街なのです。…
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