「それは未練で執着だって考えてはみませんでしたか？」

どうしても忘れられないという恋人の愛のことばにたいするﾋﾛｲﾝのｾﾘﾌですが､これまた韓国ﾄﾞﾗﾏﾌｧﾝにはおなじみともいえる､定番のｾﾘﾌ｡
しかし､はたしてそこでいわれる愛と執着の違いはなんなのか…Work outしている間は愛でﾈｶﾞﾃｨｳﾞに働くようになったら執着､ということか? 昨日まで愛と呼んでいたものを今日は執着､と感じるなら､それは質的な違いというよりも結局は主観の問題､彼女/彼自身がどう捉えるかということでしかないのでしょう｡それだけにかえって､こう好きな女の子にｶﾞﾂﾝといわれたら､けっこう再起不能､な気がします｡以降､思わずこの相手役にちょっと同情してしまいました(笑)

韓国ﾄﾞﾗﾏﾌｧﾝには説明不要でしょうが､一説には全東ｱｼﾞｱを平定したともいわれる､いわば韓流ﾄﾞﾗﾏの決定版がｱｼﾞｱ･ｽﾀﾝﾀﾞｰﾄﾞでは本作品｡本邦ではなかなか放送されず､一体どこが押さえているんだと思っていたら､なんと "; }?>ｿﾈｯﾄ での放送でした｡さすが世界のｿﾆｰ｡押さえるところはちゃんと押さえている｡(ﾑｿｯﾌﾟｷﾄﾞﾊｺﾞ...｡)

ﾃﾚﾋﾞの連続ﾄﾞﾗﾏでは途中から見た人も筋が判るように､先行の関連ｴﾋﾟｿｰﾄﾞの回想が挿入されることがよくありますね｡ごく一般的な手法ですが、本作品においてはそれが､全40回という長さとも相まって､時として瞬間的に非常に深い時間性を感じさせ､強力な感動を与えます｡
たとえばﾋﾛｲﾝの夢のなかに子ども時代の回想が甦る場面｡楽しかった過去が現在の恋に重ね合わされる､あの場面｡また､ﾔｸｻﾞの大将が大人になったｷﾑ･ｼﾞﾎを見て､彼女が《あの日のあの少女だ》と気づく場面etc.…｡挿入される回想場面を軸に､殆んど打ちのめすような強烈な感動が波のようにくり返し生まれてくる｡
やや長いですが､時間に余裕があれば十分一見の価値のある作品｡

ﾊﾝｸﾞﾙ･ﾄﾗﾝｽｸﾘﾌﾟｼｮﾝ