Yuichi HiRANAKA à Paris!
パリは燃えているのか?(笑)
こんにちは、パリの平中です。
たいへん多くの方からご心配のメールをいただき、なんだか日本では大変な報道になっているようですね。
どうやら僕はいま火の海のなかを命からがら逃げまどっているんじゃないか、というイメージもあるようで、じつはそうなんです、と答えたいのは山々なのですが(笑)実際には、僕は今日も雨上がりのカルチェラタン,左岸の美しい秋を、しみじみと堪能してきました。
もちろんこれだけの状況ですから、パリは何も変わりがありません、という気はありません。
話題もみんなこのことです。しかし僕がいましみじみと感じるのは、フランス人の個人性深さ、のようなものです。多くのフランス人が、この状況を個々人それぞれとして、非常に論理的に理解しようとしている、ということをたいへん強く印象づけられます。動揺、といっても、それは日本人が日本で思うような動揺とは、少し質の違う状態なのだ、と思うのですが、この違いは、いまはまだ上手くは説明できません。
よくいわれることですが、フランスは成熟した大人の国、と呼ばれています。今回の件を見て、それはつまりこういうことなのだな、と感じました。
また、フランスは個人主義の国、とも呼ばれています。
それはたとえばアルジェリア戦争以来の法的措置が取られるとかそれで個人の権利が制限されるとか、そういうレヴェルの話ではなくて、そういう外的な条件というより、むしろ内面の問題なのです。個人の問題なのです。その内面の個人性の強靱さ、そこが揺らがない、ということなのだと思います。
よくも悪くも、右向け右、ということだけはないのがこの国なのだろうと思います。
日本の報道でひとつ注意したいのは、フランス人はこの問題を必ずしも移民の問題とは捉えていない、ということです。むしろ、これはフランスの子どもたちの問題だと捉えているように見えます。
フランスではフランスで生まれた人はみんなフランス人で、その点では肌の色は驚くほど考慮されません。
また、彼らの親たちの多くが移民であったとしても、実際には旧フランス植民地からの移住者が殆んどなわけであって、これはいわば、完全なフランス国内の問題、と考えることもできるでしょう。
イラク問題もそうですが、いまだにこの世界は驚くほど多くの面で植民地主義時代の大きなツケをはらい続けているのでしょう。
いろいろなフランス人からもこの件についての意見を聞きますが、ある年配のフランス人は(彼女自身、移民の系統に属する人なのですが)、
「これは子どもたちのやっていることに過ぎず、それよりも問題は政府がこの状況を利用することだ」といいました。
そして、
「恐れてはいけない、人生は続いていくのだから」と。
不安そうな若い外国人のためにいったなんということはない当たり前のことばだったのでしょうが、僕はとても感銘を受けました。
以上、ご心配も多くいただきましたので、とり急ぎの所感です。
最後に観光に来られる方のために申し添えておきますと(笑)僕が見た限り、今日現在、パリ市内、セーヌ左岸に関しては、10年前と変わらない、美しい大パリ市が、堂々と皆さまをお待ちしております( ;
09/11/05 © yuichi hiranaka
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