un bout d'hier 83 ~ le vingt-deux janvier 2005
What a Wonderful World

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ファミリータイズ

自殺してしまいたい、と思うのはなにも不思議なことではない。そんなことをいちども考えずに生きている、というほうが、むしろ感受性に問題があるだろう。それがいまの世の中だ。
けれど人の心は足し算ではできていない。100のうち99までが悪いことでも、残りのたったひとつのいいことのために明日も生きていこう、と思える。それが人の心だ。反対に、100のうち99までがいいことでも、死にたくなるのもまた人の心だ。ならば客観的にそれが100のうちのいくつである、などということになんの意味があるだろう。客観的には100分の1でも、それは人の心には問題ではない。その人にとってそれが全てであれば、それが真実で、客観的な判断など、文字どおり他人ごとの空論でしかない。
人はいま、全てを客観的に捉えることが素晴らしい、と考えている。客観性こそが真実、少なくとも、なにか真実にいちばんちかい最善、ないし次善のものである、と考えている。けれどその真実は、人の心には及ばない。客観性の魔力は、それでも人の心を掌握できない。人の心はもちろん、主観性の王国だからだ。こうしていまも人の心は、機能和声の客観性に逆らって、ギリシャの昔から続くさまざまな旋法をひとり奏で続けているのである。

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