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『Hitch/最後の恋のはじめ方』 (★★★) スマート、でも意外に特異な作品
ウィル・スミス/エヴァ・メンデス/ケヴィン・ジェームズ/アンバー・ヴァレッタ

今回、またまたかなり変則的な★付けにしましたが、じつはこの作品の劇場用パンフレットにエッセイを寄稿しています。それで、やや身びいきになるかとも思われ、(★★★) ということにしておきました。**
 でもこれ、けっこう面白い作品です。というのも、邦題から判るように日本では完全に女性向けの恋愛映画、という扱いになっていますが、ほんとうはこの作品、アメリカではある種社会的なヒーローであり、ロールモデル的存在でもある大スター・ウィル・スミスの映画、ウィル・スミスのウィル・スミスによる、ウィル・スミス・ファンのための映画、というものです。そんなものが成立するというこのとんでもない彼の人気自体、日本のメディアだけを見ていてはややピンとこないかもしれませんが、そういえばもう10年近く前になりますか、元祖コギャルR&Bシンガー・ ブランディ 主演によるアメリカTV史上初のオール・ブラックキャストのアッパーミドルのシットコム『モエシャ』(長い説明で恐縮です。しかしこのシリーズ、本国ではかなりの人気もあり、僕もかなり面白いと思っていて、けっこう大好きだったのですが、日本ではたぶん CSのFox:もっというと、いまは亡きFox Familyというチャンネル... で1stシーズンが放映されたきり、なんですよ…)劇中で、小学生の息子が父親に「エディ・マーフィがそんなに人気があったなんて信じられないよ」というと父親が「いまにお前はお前の息子にウィル・スミスについて同じことをいわれるんだぞ」というパンチ・ラインがありました。当時から、まぁ、そういう勢いだったわけです。
 で、なにが面白いかというと、日本では女性向けのただのロマンティック・コメディとしか宣伝しようのない筋立てのこの作品が、じつはウィル・スミスの映画であるために、全てがウィル・スミス寄りの視点から描かれている、つまり男の視点から描かれたロマンティック・コメディー、という非常に特異な作品として成立している、ということです。しかも現代アメリカの一ロールモデル的存在のスミスですから、男性を主人公にした恋愛コメディーでは非常にアリガチな、幼稚・下品・汚い、という手合いのギャグは一切でてきません。かなりスマートなところに落とし込んであります。このあたりも、こちらのページによくいらっしゃるみなさんには、趣味に合うところではないでしょうか。
 そんなこんなで、今回、この作品は、ぜひBFとご一緒にご覧になって下さいと、とくにそうお薦めしたい一作です。男性にも面白い、そして男性の視点に感情移入して観ることが好きな女性のみなさんには、かなり希有な、面白い作品になっています。

あとひとつ、この作品での僕の素朴な感想は「ほんっとにお金がかかってるなー」ということです。舞台はマンハッタンなのですが、その街中での撮影にしろ、衣裳にしろ、ほんとにお金がかかっています。たとえばちょっとした衣裳や小物など、実際にはそれがたとえどんなものであったとしても、おそらく作品の売り上げ自体は変わらないでしょう。日本であれば、タイアップをとったアパレルメーカが持って来るもので済ましてしまうところでしょう。これが日本の商業主義の限界です。いくら効率性や収益を挙げつらい合理性を誇ってみたところで、所詮はそこ止まりの底の浅さ、なわけです。けれど商業主義、ないし金の力も、やはりハリウッドまでいくとものすごいというか、衣裳ひとつにものすごい神経を「ヘーキで」「糸目も付けず」使うことができる。こうなると、もうそれはちょっと否定しえないというか、有無をいわせない圧倒的なものがあります。それはそれで、もっと深いところで、ほんとうに恐ろしいものだ、ということもいいたいわけですが、ともかく現代物質文明のひとつのピーク・ポイントを見せられたような思いはします。
 戦争やSFやコスチュームものといったスペクタクル映画に大量のお金が投じられるのは、いわば当たり前なのですが、こういうごくドメスティックな恋愛映画に、別にこんなお金なんか使わなくたって、それなりに成立させられたはずの作品に、こういうお金のかけ方をする・できるというのは、ある意味、むしろほんとうの贅沢、という感もあります。
 なかでもエリス島の場面はじーんとくるほどロマンティックですし、ヒロインのこのヒスパニックの彼女も、スチルで見るとよく判らないかもしれませんが、スクリーンで見ると非常にエナジェティックで魅力的、ですよ( ;

**上述の僕のエッセイ、タイトルは「Chemistryのはじまるとき。」自慢じゃないけど今時だれがこういうちゃらけたタイトルでこういうソリッドな原稿を書けるかというと、僕のあとに僕はなし、というところでしょう(笑)80年代にはよく書いた、恋のはじまりをポジティヴに捉えた原稿。この映画を観たひとにはこの映画とすれすれの内容を持ちながら、この映画を観ていなくてもふつうに読める、というピンポイントで書いています。今回はまぁ昔取った杵柄というか、短いものですがリラックスしたクルーズをお楽しみいただけるのではないでしょうか。劇中ウィル・スミスは EW+Fを歌いまくっていますが、ここでは甦る麗しの80s、 ボビー・ブラウンLaフェイスを初めて聴いた頃のあの気持ちを, しばしとり戻してください( ;
(2005.5.29)

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